セサミンは加熱調理も安心
セサミンはゴマに含まれている成分で、ゴマを食べることにより摂取することができます。 ドレッシングや和え物に使う場合は加熱しませんが、ゴマは加熱する料理に使うと、セサミンやその他の成分に変化があるのでしょうか?
ゴマの加熱調理は抗酸化作用を高める
セサミンはゴマに約1%含まれているゴマリグナンという植物化合物群のひとつの成分です。 ゴマリグナンにはセサミンのほかにもセサミノールやセサモール、セサモリノール、セサモリンなどと呼ばれる成分が含まれ、強い抗酸化作用を持っています。
ゴマは加熱することにより、ゴマリグナンの持つ抗酸化作用がさらに高まり、セサミンの効果をより有効に利用することができます。
加熱により変換されるゴマリグナンの成分と働き
セサミンはゴマに最も多く含まれているゴマリグナンで、肝臓の機能を強化する働きがあります。 ゴマは加熱するとゴマリグナンの中のセサモリンという成分が、セサモールという非常に強い抗酸化物質に変換されます。
この物質は体の酸化の防止、老化の防止、過酸化脂質の産生防止に大きな効果を持っています。 そのほかにもコレステロール値を下げ、動脈硬化や生活習慣病の予防、二日酔いの予防と軽減、ホルモンバランスを整える働きがあります。
ゴマ油はゴマを焙煎して抽出されますが、その過程でも、セサモリンはより強い抗酸化作用を持つセサミノールに変換されます。
このように、ゴマは加熱されることにより、より強い抗酸化力を持つようになります。
効果的にゴマを摂取するために
ゴマは固い表皮に覆われているので、そのまま食べると消化、吸収が悪い食品です。 そのため、煎る、擦る、または練って食べるとセサミンをはじめとするゴマリグナンの有効成分を効率的に摂取することができます。
ゴマの煎り方
ゴマを煎る場合は、フライパンに洗ったゴマを入れ、混ぜながら強火で加熱します。 火加減に注意しながら煎り、ゴマが弾け始めると火を止めます。
煎り過ぎないように注意します。 お皿に移し、冷ましてから料理に使います。
ゴマの擦り方
ゴマを擦る場合、擦り鉢があれば滑らないように気をつけながら、すりこ木でまんべんなく、ゴマの皮が破れゴマの香りが出るまでゆっくりと擦ります。
擦り鉢がなくても、卓上で簡単にゴマが擦れるゴマ擦り器も市販されていますので、そういったものを利用してみると便利です。 また、ゴマをラップで包み、上から棒などで軽く叩いても、ゴマの皮が破れ簡単に擦りゴマができます。
保存方法は?
ゴマは空気に触れると酸化しはじめます。 そのため、食べる直前にゴマを煎る、または擦ると良いでしょう。
保存する場合は煎りゴマ、擦りゴマとも密閉容器に入れ、冷暗所で保存します。 暑くて湿気が多いと冷蔵庫での保存がおすすめです。
長期的に保存したい場合は冷凍庫での保存も可能です。 その場合は、使用する際にもう一度軽く煎ると美味しくなります。
冷凍の場合、結露が起こりやすいので、どうしても長期間に渡って保存したい場合を除き、冷蔵庫での保存をおすすめします。